NEWS & TPICS 12/31続き

本サイトの初トミカ?
カジマ・マツダMX-R01でした


マツダMX-R01は、91年ルマン24時間を制覇したマツダが翌年に送り込んだマシンです。787Bを最後にロータリーが閉め出されたため、マツダの名を冠した初のレシプロエンジンによる耐久車となりましたが、開発そのものは英国のTWRが担当し、ジャガーXJRシリーズによく似たボディとV10エンジンが搭載されていることが特徴的です。いきなりのレシプロ耐久マシンとはいえ、チャージカラーの5号車は一時はトップに立つほどの活躍を見せ、最終的に総合4位に食い込みました。

画像の6号車は、ルマンウイナーの787Bでお馴染みのチャージカラーではなく、メインスポンサーをつとめた鹿島建設仕様のホワイトボディです。残念ながら92ルマンではクラッシュ→リタイヤとなりましたが、ローダウンフォース仕様が施された鮮烈な白いボディは、独特の存在感を醸し出しました。

そのルマン参戦を記念して、鹿島建設がトミカに特注し、社内などに配ったのが画像のモデルです。驚くことに787Bの色違いでお茶を濁したものなどではなく、金型からまったく新規に製作した(!)、とてつもない贅沢品なのです(まだまだバブル崩壊の影響が出る前でしたからね〜)。コクピット上をシャープに見せるエアインテーク、低いフロントカウル……両者を並べてみると、787Bとの違いがよくわかります。当然これまでトミカの正規のラインナップとしてはあげられてなく、ムック本などでもほとんど扱われることのないモデルですが、裏面にはしっかり「1992 TOMY」そして「KAJIMA MAZDA MX-R01」と刻印されています。

色違いやバリエーション違いだけではなかなか特注トミカに手を出さないワイキキですが、うまれ素性(キャスト)から異なるこのモデルだけは見逃すわけにはいきません。MX-R01は、まごうことなき希少車であり、トミカの中でもかなりレアなモデルでしょう。














このモデルを発掘したのは、ママさん向けの某オークションサイトでした。ベビー服や子供のオモチャばかり出品されているところ、しかも、「トミカ20台セット」と名のついた品物の中に、ゴミ収集車やショベルカーのジャンクに混じって入っていたのです。しかも入札は100円から。“ドキッ”という擬音以外表現しようのない衝撃的出会いでした。

その時点で入札締め切りまで6日間。ちょうど聖夜をはさんでいましたが身内からのプレゼントなど、もうそっちのけでした(笑)。頭の中は毎日毎日MX-R01のことばかり。心配なのはただ一つ、コアなトミカコレクターさんが出品に気づくかどうか。いくら育児関連のサイトとはいえ、目ざといマニアは必ず出入りしているはず。業者さんに見つかったら、とてもじゃないがたちうちできない……。

100円の入札が1件あっただけで、5日間は静かに静かに過ぎました。しかし、さすがに最終日には動きだします。数百円単位で次々と更新されてゆく最高入札額。笑っちゃうことに入札者は、すべて、ゴミ収集車やパトカーを目当てのママさんとおぼしき方ばかり。商品画像に大写しとなっている白いレーシングカーの正体、価値などまったく知らない方ばかりが落札しようと競っていたのです。

……結局、トミカに詳しい人は誰一人として入札しなかったようです。無事、MX-R01はワイキキの元にやってきました。

落札後に、出品された方に問い合わせたところ、白いレーシングカーをどうやって手に入れたかまったく記憶にないとのこと。ご家族がかのゼネコン関係者だとかのことではないそうです。MX-R01や同梱のミニカーの汚れ具合からみて、おそらくご自分の家で遊ばれていたのではなく、フリマあたりで大量に手に入れたものだと推測できます。

それにしても、これほど長く長く感じられた6日間というものはこれまで経験したことがありませんでした(笑)。

またしても、思い出の一台が増えちゃったわけですね。



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